各種検討

 さて、ここで、ISDNを実際にどのように使用するかを考えてみます。

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2人で同時にデータ通信 (18 Dec 1997)
実はNIFTYが伏兵だった (31 May 2000, 13 Feb 2002: URL変更)
その他注意事項 (25 Dec 1997)

 2人で同時にデータ通信▲戻 ★

 現在、うちにはPCが2台あります。古いのも含めるともっといっぱいありますけど、実際に使っているのは東芝のノートPC Satellite Pro 420CDTと、同じく東芝のミニノートPC Libretto 20CTAの2台です。

 今はアナログ回線で、モデムを差し替えて交互にアクセスするようにしていますから、一人がアクセスしているときにはもう一人は回線を使用できません。普段は終わるまで待てば済む話なのですが、2人で同時にチャットしたい場合に困るのです。以前は会社+自宅、自宅+実家などの組み合わせで実践していましたが、それも結構悲しいものがありますし・・・。

 ISDNなら2Bをフルに利用して、2人同時にアクセスすることが可能になります。一人はDSU内蔵TAのデータポートを利用してインターネットプロバイダに接続し、もう一人はアナログポート+モデムか、S/T点にISDNカードを接続してインターネットプロバイダに接続すればよいのです。

 AtermIT55DSUはS/T点がオプションで、ISDNカードもあまり安いものではないですし、モデムカードがせっかくありますから、アナログポート+モデムで接続するのが一番手っ取り早いでしょう。無理してデジタルで接続する必要はないのです。どうせチャットなんだから。あまりハイテクに踊らされない心も必要かもね。

 注意としては、2人で同時にチャットしている場合は、2B使用中になってますから、BODの恩恵にもあずかれないし、コールウェイティングも使えません。通信中着信通知を受けて、TAがブザーかなんかを鳴らしてくれるといいんだけど。

 実はNIFTYが伏兵だった▲戻 ★

@niftyへのアクセスについては、@niftyへのアクセスもご参照下さい。

 嫁さんの主なデータ通信利用先というのは、NIFTY SERVEDTIです。で、私はBTNISを使っています。DTIとBTNISは共に64Kbps同期のアクセスポイント(AP)が浜松市内にありますから、特に問題はありません。

 が、実は、嫁さんの主な活躍の場となっている、NIFTYが意外な伏兵だったのです。この時点で、NIFTYのAPにはFENICS-ROAD2〜5とHyperROAD/HyperROAD64、NIFTY-ROAD7があり、FENICS-ROAD3のINS用APとHyperROAD64がISDN用です。

 FENICS-ROAD3はアナログ用とISDN用がありましたが、この時点ではISDN用しか残っていません。ただし、APの数は少なく、しかも9600bpsです。また、NIFTYの案内では、FENICS系とNIFTY-ROAD7はいわゆる通信ソフトを使ってアクセスするように書かれていて、HyperROAD/HyperROAD64はニフマネでアクセスしなさい、と書かれています。

 また、ニフマネの能書きを読んでいると、普通の通信ソフトを使ってアクセスできるAPにニフマネでアクセスすることはできるのですが、その反対はどこにもかいてありません。がーん、せっかくISDNになったのに、あの悪名高いニフマネを使わなければならないなんて・・・。

 というのが、97年導入時点での話です。@niftyになってからは、NIFTY SERVE時代のHyperROAD64のAPと、InfowebのISDN用のAPが合わさって@niftyアクセスポイント(ISDN)となっています。この他に「パソコン通信用アクセスポイント」というのがあり、ここにROAD2/7が収容されています。ROAD3〜5は事実上抹消されています。

 閲覧方法については、TTY/ニフマネ/Interway/NNTPの4種があるはずですが、どれも方法が見つけづらくなっています。TTYは「パソコン通信用アクセスポイント」へ接続することになります。もしかするとアナログの@niftyアクセスポイントへつないでも大丈夫かもしれません。ニフマネ→使ってないのでよく分かりません。InterwayとNNTPはもちろん@niftyアクセスポイントにPPP接続してから使います。ということで、解決策ですが、

1. @niftyアクセスポイント(ISDN)にPPP接続し、telnetでTTYシステムにログインする

 嫁さんの@niftyへのアクセス手段はNifTermなんですが、NifTermもtelnet接続に対応しているそうなので、普通にフォーラムを読む分にはこれが一番簡単な解決法でしょう。ちなみに、ごく普通のtelnet端末やMopTermなんかで接続する人は、ホスト名はhrt.nifty.ne.jpもしくはhrt2.nifty.ne.jpです。@nifty外からtelnetログインするためのr2.nifty.ne.jpとは異なるので気を付けてね。
 hrt.nifty.ne.jpとhrt2.nifty.ne.jpの違いですが、前者は前からあるノロノロホストです。後者は1998年の春〜夏ごろにできたホストで、バイナリのダウンロードでも33.6Kbpsくらいの速度が出ます。

2. アナログポートにモデムを接続してアクセスする

 なんか本末転倒のような気もしますが、バイナリファイルをダウンロードする場合にはこれが一番単純です。モデムとTAとの相性も関係してくると思いますが、TAから向こうはデジタル回線ですから、安定性はアナログ回線よりもいいかもしれません。

3. バイナリファイルはINTERWAYを使う

 1997年の10月にNIFTY SERVEが始めたサービスでNIFTY SERVE INTERWAYといものがあり、現在もINTERWAYとして引き継がれています。というか、運用の主力になっています。これはwwwブラウザを使って@niftyのフォーラムや電子メールなどにアクセスできるサービスで、ライブラリのダウンロードもできます。ライブラリのダウンロードは素直にHTTPに準拠しているので、telnet+BPLUSに比べてはるかに高速です。大きなバイナリファイルをダウンロードするのなら、このサービスを使うのが得策でしょう。

備考:NIFTY摩訶不思議

 さて、いろいろなアクセスポイント(AP)があったNIFTY SERVEですが、PPP接続してインターネットへ乗り入れることができるAPは、HyperROAD・HyperROAD64・NIFTY-ROAD7の3種類でした。その前はFENICS-ROAD4からもInfoweb経由の乗り入れが可能でしたが、HyperROAD/HyperROAD64やNIFTY-ROAD7の普及に伴ってなくなりました。

 HyperROAD・HyperROAD64とNIFTY-ROAD7ですが、どちらもスクリプト無しでPPP接続できました。逆に、普通にNIFTY SERVEに接続するときに余計な入力が必要になりますが。HyperROAD64は無手順での接続はできなかったようです。接続料金はNIFTY SERVEの普通の通信料金(つまり、高速側の課金)といっしょです。ここからさらにtelnet(hrt.nifty.ne.jpあるいはhrt2.nifty.ne.jp)でNIFTYにログインできました。

 ちなみに、HyperROADはPPP+ニフマネ専用、みたいな事が書かれていますが、普通の通信ソフトを使用してアクセスすることもできました。やり方はROAD7と同じです。つまり、Login:に対してNIFTYと打ち込み、Password:に対してはEnter空打ちで、Connection IDを聞いてきますので、あとは、SVCからいつも通りに打っていけばよいのです。

 で、これらのAPのうち、HyperROAD系とInfowebのAPが合わさって@niftyアクセスポイント(アナログ及びISDN)となり、ROAD2/7がパソコン通信用アクセスポイントとして残存している模様です。実際に電話番号を調べたわけではありませんので、両者でいくらか融通があったかもしれませんが。ちなみに、Infowebの@niftyへの融合は、@nifty移行前から行われていて、地方によってはNIFTY SERVEとInfowebのアクセスポイント電話番号が同じだったり、1番違いだったり、というのは案外有名のようです。

 @niftyのTTYシステムはインターネットからtelnetでログインすることもできます。@niftyの外からは「r2.nifty.ne.jp」へ、中からは「hrt.nifty.ne.jp」あるいは「hrt2.nifty.ne.jp」へ接続します。これらの接続形態では、NIFTY SERVEのメニューで「無料」と書かれているものであっても、PPPの接続料金は常に課金されています。まあ、PPP接続の使用料と@niftyの使用料が二重取りされていることはないはずですが。ちなみに、今、「r2.nifty.com」へつなごうとしたらそんなのないよとDNSに怒られてしまいました。

 r2.nifty.ne.jpあるいはhrt2.nifty.ne.jpへtelnetログインした場合、その実効的な速度はテキストを読んでいる場合で14.4Kbps程度のようです。バイナリをプロトコル(BPLUSなど)付きでダウンロードした場合、非常に遅くなりますので、@niftyのAPにPPP接続している場合は、特に理由がない限りはhrt2.nifty.ne.jpへtelnet接続した方が利口です。こちらは33.6Kbpsモデム程度の速度が出ます。


 その他注意事項▲戻 ★

 ISDNを導入するにあたって、その他に注意しなければならない点もいくつかあります。

NTTのサービス関係

 以下の事項に注意しなければなりません。なお、これはINSネット申込用紙の裏に書いてあります。ちょっと紹介します。

● ピンク電話
● キャッチホンII
● オフトーク
● 弟2種パケット*(ホームバンキング、ホームトレード等)
● 信号監視サービス*(警備保障等)
● ノーリンギング*(遠隔検針、遠隔制御等)
● 緊急通報装置*
*印については、各サービスの提供事業者に利用方法等の詳細をご確認下さい。

となっています。ピンク電話は公衆電話の事でしょう。「うちの電話はピンク色だ!」といって慌てないように(実は、うちの電話はピンク色だったりしますが)。キャッチホンIIは留守電付きキャッチホンですが、この恩恵にあずかっているような人は、電話機を2台つなげば済むことですから・・・。オフトーク、これは私には分かりません。弟2種パケット、これもやったことないので分かりません。ISDNのパケットの方が融通が利くと思うんですけどねぇ。

 問題は、これ以降の3つです。このうち、信号監視サービスと緊急通報装置はいいとして、ノーリンギングですが、これは直訳すれば「ベルを鳴らさない」という意味です。ガス会社とかがやっているサービスで、電話回線を使ってガスの使用量を検針したり、遠隔操作でガスの元栓を閉めることができるサービスなんですが、この時にベルを鳴らさずに制御するのでこの名前があります。

 まあ、これらのサービスがISDNでも使用できれば問題はないのですが、これらは生活に密着していたり、人命に関わったりすることなので、ISDN導入を決める前に、じっくり検討した方がいいでしょう。ちなみに、うちの実家はノーリンギングサービスが使えなくなるために、ISDN導入をあきらめたようです。

雷に注意

 その他、雑誌で読んだんですが、

・雷に注意!

というのがあります。普通の電話の場合、屋内に引き込む前に保安器というものが入っているので、ここで雷はシャットアウトされて電話は大丈夫なようになっています。あまり落雷で電話が壊れた、という話は聞いたことないでしょ?

 ISDNの場合でも、保安器はそのまま入っていますから、ISDN回線については大丈夫なはずなんですが、DSU/TAの場合はACラインにもつながっているので、ACラインから雷のサージ電圧が入り込むとアウトの事が多いようです。

 雷のサージ電圧は、別に家庭に引き込んでいる電線に直接落雷しなくても、高圧ラインに落ちても発生することがあります。避雷線に落ちても誘導電圧やアース電位の変動で拾ってしまう事があります。

 DSU/TAが壊れると、一切の通信ができなくなります。DSUレンタルならば、DSUはNTTが無料で直してくれるはずですが、買い取りもしくは自前で用意した場合は修理は自分でやらなければなりません。また、直るまで電話がかけられません。

 対策としては、以下のような点が考えられます。

・雷が鳴り出したらコンセントを抜く
 停電バックアップ機能のあるDSU/TAのみに有効。停電バックアップ機能がないDSU/TAの場合、電源を切ると電話が使えなくなります。こういった意味でも停電バックアップ機能は重要。
・予備のDSU/TAを用意しておく
 いきなりDSU内蔵TAを2台用意する、というのは予算的にもきついですから、例えば2代目のTAを追加するときにDSU内蔵のものを買うとか、新しくDSU内蔵TAを買った場合でも古いものは捨てずにとっておく、というバックアップ体制が、長く使っていくためには必要でしょう。

DSU・TAは開通前に調達

 ISDNを導入する場合、開通日前にDSU・TAを調達しておかなければなりません。開通してしまうと今までの電話は使えなくなってしまいますから。(^^; で、余裕をもって購入すると、開通時には値崩れしてたり、新製品が出てたりするんだな、これが。

2B使用と疑似コールウェイティング

 何度もしつこく言っていますが、Bチャネル2回線使用中はBOD機能によるもの以外、疑似コールウェイティングが効きません。「やっぱISDNは2回線同時使用が醍醐味だよね」とか言って、NIFTYでチャットしながら裏でネットサーフィンなんかしていると、いつまでたっても電話はかかってきません。2B使用はほどほどに。

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