ATOKがジャストシステムの一太郎・花子に付いてくるのに対し、VJEは(たぶん)ダイナウェアのダイナデスクに付いてきた。 ただ、FEPはある程度の互換性があったので、一太郎をVJEで、あるいはダイナデスクをATOKでという使い方もできた。 一太郎・花子が「できないことはない」と言われる一方で、WYSIWYGでなかったことや、動作が全般に重かったのに対し、ダイナデスクはできることは限られていたが、WYSIWYGで、比較的軽かったので、当時はダイナデスクの方が使いやすかった記憶がある。 WYSIWYGの方が軽いというのも変な話だけど。
カタカナ入力はカタカナモードにしてから入力すればいいのだが、ひらがなとカタカナが入り乱れると非常に煩雑な操作になるので、普通はひらがなのまま一気に入力して、変換機能でカタカタに変換する。 たまに辞書にないカタカナ言葉が出てくると変換できないのだが、カタカナにする部分を文節として選んで、[F7]を押すとその文節がカタカナになる。 これがカタカナ(後)変換で、覚えると非常に便利である。 同様に、ひらがな・半角・アルファベットへの変換もある。
今のFEPのキー配列(キーバインド)は基本的にATOKのものが採用されていることが多い。 特に、ひらがな変換[F6]・カタカナ変換[F7]・半角半角[F8]・アルファベット変換[F9]の4つはほぼ共通と言ってよい。 また、文節の移動・伸縮にはカーソルキーを使う。 この配置は分かりやすいのだがひとつ大きな欠点がある。 それは「指の位置が大きく動く」ことである。 タッチタイピストにとってはこれは許しがたい欠点になる。 また、ノートPCではキーボードによってこれらのキーの位置が若干異なることが多く、慣れていない環境で入力すると指が勝手に変なキーを押していることがよくある。
それが、何で気がついたんだろうか。 ある日、[Ctrl]+[K]でカタカナ後変換ができることに気づいた。 MIFESで[Ctrl]+[K]は「行末まで削除」だったので、変換途中なのに行末まで削除しようとしたのかもしれない。 「あっ」と思ってあてずっぽうで押していくと、[Ctrl]+[J]がひらがな、[L]がアルファベット、[O]が半角変換になっていた。 これは右手のホームポジションか、それに近い位置で操作できる。
さらに、MIFESはいわゆる「ダイヤモンドカーソル」、つまり[Ctrl]+[E][X][S][D]で上下左右に動く(なんでこのキーなのかは配列を見ればすぐ分かる)タイプのエディタだったのだが、もしやと思って変換中にこれらのキーを押してみると、[Ctrl]+[S]が左文節、[Ctrl]+[D]が右文節、[Ctrl]+[E]が前候補群、[Ctrl]+[X]が次候補群になっていた。 つまり、ダイヤモンドカーソルをベースとした操作体系になっていた。 文節伸縮はというと、[Ctrl]+[Q]と[Ctrl]+[W]である。これらは全部左手のホームポジション近くで操作できる。
これに気づいてからは「使いにくい」という感覚が一変、「VJEというのはなんて使う人のことをよく考えたFEPなんだろう」と思うようになった。
変換 | [変換] |
全確定 | [Enter] |
確定取消 | [無変換] |
次文節 | [Ctrl]+[D] |
前文節 | [Ctrl]+[S] |
文節伸張 | [Ctrl]+[W] |
文節短縮 | [Ctrl]+[Q] |
次候補 | [変換] |
前候補 | [Shift]+[変換] |
次候補群 | [Ctrl]+[X] |
前候補群 | [Ctrl]+[E] |
ひらがな後変換 | [Ctrl]+[J] |
カタカナ後変換 | [Ctrl]+[K] |
アルファベット後変換 | [Ctrl]+[L] |
半角後変換 | [Ctrl]+[O] |
他にもあると思うが、よく使うのはこのくらい。 見て分かるとおり、ファンクションキーとカーソルキーをまったく使わずに変換操作が可能である。 ATOKはスペースキーが変換キーとして割り当てられていたのに対し、オリジナルのVJEはスペースキーは変換キーではなく、必ず全角スペースが入るようになっていた。 つまり、変換は必ず[変換]キーを押さなければならない。 半角スペースは[Ctrl]+[Space]で入力する。 前からそうだったかどうかは忘れたが、少なくとも今はそうやって入力している。
実はMS-IMEの設定で、VJEのキーバインドを選ぶことができる。 タッチタイプを習得して、日本語入力がカッタルイと思っている方は是非実践を。 この設定は未来永劫なくさないで欲しいなぁ。
ちなみに、自分は「窓使いの憂鬱」で[Ctrl]と[Caps]を入れ替えている。 このキーバインドたと、AT互換機の[Ctrl]の位置だと指がつりそうになるので、変えておいたほうがいいだろう。 Win2k以降ならばこの入れ替えはレジストリだけでも可能なはず。 さらに、FEPに入るキー操作を[Alt]+[半角/全角]ではなく、[Alt]+[変換]に変えている。 これが意外に使い勝手がよくて気に入っている。
エディタは秀丸+MILIKE.keyを少しいじって使っている。 MIFESは検索次候補がファンクションキーに割り当てられているのだが、これが気に入らなかったので、検索次候補を[Shift]+[Ctrl]+[Z]に、前候補を[Shift]+[Ctrl]+[E]に割り当てている。 本当は次候補は[Shift]+[Ctrl]+[X]に割り当てたかったのだが、ハードウェアの制限からか、うまく認識してくれなかったので、この割り当てに落ち着いている。
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$Id: vje.htm,v 1.2 2010/05/22 06:22:52 you Exp $