うさぎ座はオリオン座の下(南)に位置する、比較的小さな星座です。すぐ上にあるオリオン座が大きく明るいためうさぎ座はあまり目立ちませんが、結構まとまりが良く、とても暗いというわけでもないので、見つけるのは簡単なはずです。
旬は冬。位置としてはオリオン座のすぐ下になります。とりあえずオリオン座を見つけてください。オリオン座の左下にひときわ明るい星がありますが、これがシリウスになります。夜の空では一番明るい恒星です。そして、オリオン座の下、シリウスの右の空間に、ちょっと傾いて浅く曲がったへの字と、深く曲がったへの字を組み合わせた星列が見つかると思います。これがうさぎ座。
右上の星の上に、ぽつぽつと並んでいる星が耳。右下の星が前足。あとは胴体としっぽを適当に想像してください。線を引いてみるとそのまんま「うさぎ」ですね。比較的「言い得て妙」な星座の部類に入ると思います。線の引き方はいろいろあると思いますが、私はなんとなくこう引くのが好きです。
うさぎ座自体はかわいいのですが、オリオンとそれに従うおおいぬ座に追いかけられて、なんかかわいそうな境遇なのでした・・・。
うさぎ座
いかにも「ぴょん」と跳ね出しそうな、かわいらしい星列。右上に写っている明るい星はオリオン座のリゲル。これでだいたいの位置関係が分かるでしょう。
高橋製作所FC-76E・EM-1で自動追尾。現像後、LS-30 2700dpiでスキャン、Photo Magicで処理。640X480にトリミングしたものはこちら → lepus_02.jpg (640X480 30.8KB) 再処理してみました → lepus_06.jpg (640X480 55.2KB) |
うさぎ座変光星R
うさぎ座の中には「クリムズン・スター(Crimson Star:真紅の星)」と呼ばれる変光星があります。変光星自体は別にそんなに珍しくもないんですが、この星は他の星に比べて「異様に真っ赤」なのが特徴です。ちょっとばかし暗いので双眼鏡の力を借りる必要があります。
うさぎ座の右の方、両耳の付け根の前の方(=西の方=右の方)を見てください(左の図の部分)。そこに、横長に並んだ星の固まりがあると思います(右の図)。まずはこれを目印にしてください。
私にはこの横長の星の固まり、右に向かって勢いよく飛んでいる子うさぎのようにも見えるんですが、この子うさぎのしっぽの上に、ちょっと斜めになった、縦長の小さな平行四辺形を見つけてください。菱形と言うにはかなりいびつですが、平行四辺形だと思えば結構整ってます。
平行四辺形の左側頂点のすぐ左脇に、他の星とは明らかに色が違う星があると思います。これがうさぎ座変光星R、クリムズン・スターです。写真の上でも周りの星と比べて明らかに赤っぽいですね。もちろん、星の色については特に修整していません。
高橋製作所FC-76E・EM-1で自動追尾。現像後、LS-30 2700dpiでスキャン、Photo Magicで処理。640X480にトリミングしたものはこちら → lepus_05.jpg (640X480 37.8KB) 再処理してみました → lepus_07.jpg (320X240 17.9KB) |
変光星というくらいですから明るさは毎度毎度変わります。うさぎ座R変光星についてはその周期が分かっていて、427日周期で5.5等星から11.7等星の間で明るさが変わります。11.7等星というと、双眼鏡を使っても見るのはかなりむずかしいですから、明るい頃を狙って見るとよいでしょう。ちなみに、1999年中の極大は3月22日頃となっています。あまり時期が遅くなるとうさぎ座が沈んでしまうので、1月〜3月くらいが見頃でしょう。
うさぎ座 (Lepus) : 概略位置 赤経5h25m 赤緯-20度 星数 3等4 4等6 5等13 6等44 プトレマイオス48星座の一つ
うさぎ座変光星R (R Lep) : ミラ型長周期変光星 赤経5h00m 赤緯-14度49分 5.5-11.7等 周期427日
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