フレッツADSL導入日誌

フレッツADSLで固定IP

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ドメイン取得とDNS運用
メールサーバー
Webサーバー

09 May 2004 DDNSについて言及。
26 May 2003 新規作成。
ドメインと固定IP

 普通、Webやメールを使う場合、IPアドレスを直接使うことは少ない。普通は「www.akamoz.jp」のような名前で打つはずである。名前を打ち込むと"どこかで誰かが"それをIPアドレスに変換してくれて、実際のアクセスはIPアドレスで行われている。名前からIPアドレス(あるいはその逆)に変換するシステムの中核を担っているのがDNSである。

 DNSは階層構造をしている。ドメインを取得し、その名前でサーバーを立ち上げたい場合、基本的には自分でDNSを立ち上げ、より上位のDNSに自分のドメインに関するDNSサーバー名とIPアドレスを伝えなければならない。DNSは頻繁に情報が更新されると都合が悪いシステムなので、DNSサーバーのIPアドレスが毎日のように変わってしまうのはよろしくない。つまり、DNSのIPアドレスは固定のグローバルIPアドレスでなければならない。サーバーを立てる際に固定IPが欲しい理由がここにある。

 ドメインを取得して運用すると言っても、Webやメールがそのドメイン名でアクセスできるだけでよい、というのなら、最近のドメイン登録機関(レジストラ)はドメインの転送サービスを扱っているのでそれを利用すればよい。サーバーを自分で立てたい場合でもホスト名が一つだけでよいのなら、仮想ドメインサービスを使う方法もある。

 それ以上のことをしたい場合は自分でドメインを取得して運用することになる。この場合、自分で仮想ドメインのようなものも運用できるし、なんと言ってもメールサーバーを自前で持てるようになるのが大きい。以前は独自にドメインを運用する=固定IPを取るという図式だったのだが、最近はNSレコードを登録できるダイナミックDNSサービスも登場してきており、固定IPは以前ほど重要ではなくなってきている。
仮想ドメインサービス

 もしIPアドレスが変わったとしても名前が変わらなければ、サーバーが行方不明になることはない。言い換えれば、IPアドレスが変わったときにDNSに新しいIPアドレスを教えてやれば、名前でアクセスする限りはサーバーが行方不明になることはない。このサービスを提供しているのが仮想ドメインサービスである。

 仮想ドメインサービスで使用するドメインはサービス会社が管理し、DNSもサービス会社のものを使う。ダイヤルアップ接続(xDSLでなくても構わない)が完了したら自サイトのIPアドレスを調べ、サービス会社のDNSに登録する。登録は適当なツールを用いたり、Webを使って行うことができる。サービスにもよるが、無料のものはサービス会社が保有しているドメインを用い、アドレスレコード一つだけを登録できることが多い。NSレコードやMXレコードを登録できなければ、サブドメインを拡張したり、メールサーバーを立ち上げたりすることはできない。DNSのレコード(リソースレコード)に関しては後日、別のコンテンツで簡単に説明する予定。
ダイナミックDNS

 DDNSと略されることもある。仮想ドメインの考えをさらに進めたものである。固定IPではない接続で独自のドメインを運用する方式。IP接続はグローバルIPであれば固定である必要はなく、普通のプロバイダのものでよい。現実的には、接続が安定していること、24時間つなぎっぱなしにできることが必要なので、ADSL・光・CATVなどになるだろう。IP接続を確立したら、DDNSサービスにIPアドレスを登録し、DDNSサービスの指定するDNSサーバーをレジストラに登録する。IPアドレスが変わるたび(≒接続が切れて、再度接続するたび)にDDNSサービスに登録してあるIPアドレスを更新する。

 この状態で登録したドメインへのDNS要求が起きると、ルートDNSサーバーからレジストリのDNSサーバーへ、レジストリのDNSサーバーからDDNSサービスのDNSサーバーへと導かれ、DDNSサービスのDNSはサービスに登録したIPアドレスを返す。従ってIPアドレスの更新を怠らなければ自宅サーバーが迷子になることはない。実際にはDNSにはキャッシュの機能があるため、IPアドレスが変わってから少しの時間(数分〜1時間程度)は迷子になってしまう。接続が切れるのが月に一度くらいなら十分使える(固定IPでも月に一度保守があれば同じ状況になる)が、頻繁に切れるような環境では使い物にならない。
なんちゃって固定IP

 xDSLやCATVで常時接続している場合、接続が切れなければIPアドレスは変わらない。接続が切れてもすぐにつなぎ直しに行くような設定になっていれば、同じIPアドレスをもらえる場合が多い。特に、CATVなどでモデムのMACアドレスでDHCP制御が行われている場合にこの傾向が強い。それをいいことに固定IPのフリをして運用することをなんちゃって固定IPという(ほんとか?)。

 なんちゃって固定IPでもDNSは立てられるし、メールも扱える。ただ、プロバイダが内部ネットワーク構成を変えたとか、モデムが壊れたとかのアクシデントがあると、IPアドレスが変わってしまう。あまり褒められた運用ではない。また、プロバイダからもらえるIPアドレスがプロバイダ内ローカルなアドレスだと、手も足も出ない。
フレッツADSLと固定IPアドレス

 フレッツADSLでは一度NTTの地域IP網に接続し、そこからプロバイダのネットワークに乗り入れる。しかし、IPアドレスを供給しているのはプロバイダなので、プロバイダによっては固定IPアドレスのオプションがある。この場合、認証時のユーザー名によって固定IPが付与されることもあり、この場合はローカル側で特に設定の必要がない。

 もらえるIPアドレスの数は1本あるいは8本が多い。1本の場合は月1000円前後、8本の場合は月1万円前後である。8本と言っても、IPアドレスの下位3ビットがオール0はネットワークアドレスとして、オール1はブロードキャストアドレスとして予約されているので、ホストのアドレスとして使えるのは6本である。他にゲートウェイ用にIPアドレスが1本必要になる。ゲートウェイに専用機(ルーターなど)を使うと、ホストで使えるのは全部で5本になる。それ以上つなぐ場合はNATを使う。

 1本の場合はホスト一つで全部こなさなければならない。実際にはNATを使えばサービスごとにホストを割り振ることが可能である。ゲートウェイとして専用機を使う場合は、ルーターなどのNAT設定で特定のグローバルポートを特定のローカルIPアドレスに割り振って使う。

 フレッツADSLなどで固定IPアドレスを利用するための情報は、FLET'S ADSL / B FLET'S / Broadband で固定IPアドレスflatray.com)に詳しい。
プロバイダに申し込む

 適当なプロバイダ(ISP)が見つかったら、早速契約しよう。契約は、ADSLの契約状況とISPの契約状況によって何通りかに分かれるが、まあたいていなんとかなる。私はフレッツADSL+@niftyというパターンから、新たにドルフィンインターネットと契約(プランはフレッツライトプラン、\850/月)して固定IPオプション(IPアドレス1本、\1000/月)を申し込む方法をとった。

 私の場合は、PPPoE接続の設定の変更は必要なかった。PPPoEで再接続すると、プロバイダから通知されたIPアドレスが自動的に割り当てられた。このアドレスを後でドメインレジストラが運営するDNSに登録することになる。

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